Perlとは…?

 Perlとはインタープリタ型のスクリプト言語です。ですから、必ず文頭でperlを呼び出して、それを通して一行ずつ処理を行っている訳です。しかし、これだけではPerlの実態がよく掴めません。では、もっと詳しくPerlの歴史や本質について調べて見ましょう。

アスキー デジタル用語辞典より

 Larry Wallによって開発されたインタープリタ型のプログラミング言語の名称。処理系は「perl」。Perlという名称は「Practical Extraction and Report Language」の頭文字からとったとされている(ごく初期のころには「Pearl」と表記されたこともあったようだが、同名のプロダクトがすでに存在していることなどから「a」を抜いた4文字に落ち着いた)。

 Perlはもともと、テキスト処理(テキストファイルの加工や整形出力など)に重点をおいた言語として作成されたが(Perl作成の動機がawkに対する不満だった)、その後、次々と言語仕様が拡張され、ファイルそのものの操作(移動やリネーム、パーミッションの変更など)を始め、システムプログラミングやネットワークプログラミングなども可能な、汎用言語に勝るとも劣らない多くの機能を備えるに至った。

 プログラミング言語的には、非常に強力なテキスト処理、ファイル処理機能を備えていること、sedやawkでできることのほとんどがPerlで記述可能であること(Perlには、sedやawkのスクリプトをPerlスクリプトに変換するユーティリティとして「s2p」、「a2p」が付属する)、基本的にインタープリタであることなどから、sedやawkの延長線上にある言語として捉えることができる(awkの代表的な機能である「連想配列」を採用するなど、特にawkの影響は大きい)。

 しかし、かなりの機能拡張が行なわれたことによって、従来はC言語でしか記述できなかったような処理もPerlで手軽に記述できるようになり、その意味では、あくまでもテキスト処理を中心に考えられたsedやawkとは一線を画していると言うこともできる。

 最近では、World Wide Webにおいて、ユーザーからの入力を受け取りダイナミックなページを作成するようなシステムが、CGIPerlスクリプトを利用して構築されたり、Perlで記述されたスクリプトそのものが、(C言語で記述されたプログラムらと同様に)Internetなどで公開されさたりするなど、汎用プログラミング言語として広く利用されている。

 Perlの最新バージョンとしては、オブジェクト指向的な拡張が採り入れられたVer.5がリリースされている。また、当初はUNIXだけだった動作プラットフォームも次第に拡大され、MS-DOSやWindows NT、NetWare(NovellによってPerl NLMが作成された)など、今では主要なOSのほとんどにPerlインタープリタが移植されている。

 なおLarry Wall氏は、UNIX上で動作するニュースリーダー「rn」やパッチユーティリティ「patch」などの作者としても知られている。

情報・通信新語辞典より

 米NetLabs社のLarry Wall氏が開発したインタプリタ言語。主にUNIX系のOSで使われている。sedやawkなどのテキスト処理プログラム,BourneシェルやCシェルなどのコマンド・インタプリタ,およびC言語の特徴を取り入れた。パターン・マッチングや連想配列によるテキスト処理が可能。このため,Perlという名称は一般にPractical Extraction and Report Languageの略であるといわれる。プロセス制御や,ソケットを用いた通信アプリケーションの開発も可能。また,WWWサーバーのバックエンド処理を行うゲートウエイ・プログラムの開発にも用いられている。

 オリジナルのPerl処理系はGNUのGeneral Public Licenseにしたがって配布されており,実費のみでソース・コードを入手できる。最新版であるバージョン5はバージョン4から大幅に言語仕様が拡張され,データ構造を強化したりオブジェクト指向の概念を取り入れている。

マルチメディア・インターネット事典より

 UNIXの世界でデータの操作性が高いC言語と、やりたいことを素早く作成できる「Shell」の利点を兼ね備え、C言語shellの利点をフォローする言語として開発された開発言語の名称。Perlの開発者ラリー・ウォル(Larry Wall)は、「Perlは、C言語とshellがぱっくり割れて、中から出てきた真珠である」と表現している。WWW上でのアンケート受付や掲示板システムを可能にするCGIの1種で、強力なパターンマッチ機構が備えられいるので、C言語のような型の宣言がいらないため、入門者でも比較的簡単にCGIが設計できる。ただし、大きなプログラムになると処理速度が遅くなる。Perlもバージョン5からオブジェクト指向の概念が導入され始めた。Perlに代わる次世代のスクリプト言語として、すでにrubyPHP/FIも登場している。米国のネットスケープ・コミュニケーションズ(Netscape Communications)社は1998年8月20日に、ディレクトリ情報を結合することで、エクストラネット・アプリケーションをリンクしたり、LDAP非準拠のデータにアクセスしてディレクトリに含めることができるPerlを利用する開発者向けの「PerLDAP」ツールをmozilla.orgのURL(http://www.mozilla.org)で無償提供を開始した。詳細情報はURL(http://www.netscape.com/newsref/pr/newsrelease663.html)で知ることができる。オライリー・ジャパンは1998年11月11日と12日に、東京・新宿のパークハイアット東京で、米国のO'Reilly Associates社の社長ティム・オレイリー(Tim O'Reilly)や、Perlを開発し、Programming Perl(俗称:ラクダ本)の著者でもあるラリー・ウォル(Larry Wall)を招いて、Perlに特化した「PerlカンファレンスJAPAN(Perl Conference Japan)」を開催した。1994年にリリースされたPerl 5以降、Perlは静かであったが、HTMLがバージョン 4.1で開発が終了し、XHTMLに移行することを受け、Perl全体を見直すためのPerl 6プロジェクト(Perl 6 Project)が推進されている。